初めて接客業を行うときに心配になるのが、「正しい言葉遣いがわからない」ことですよね。
高級ホテルなどのマナーがしっかり決まっている場所でなければ、アルバイト店員の多少の言葉遣いはそこまで厳しく扱われません。
しかしながら、多少のマナーは必要ですしモゴモゴと言葉を選んでいてはスマートな接客は行えません。
少なからずスラスラと話せるようにするには先輩店員の言葉遣いを真似してテンプレートを作るところから始めましょう。
テンプレートはその場で切り替えていけるように引き出しを増やしておくことが大切です。
また、常に笑顔、テンプレートに抑揚をつけてハツラツと話せるともっとレベルアップします。
本記事はフルサービス型のカフェを想定していますが、他の飲食店においても応用できる内容となっています。
テンプレート①お客様来店時
◇接客テンプレート例◇
「こんにちは(時間帯によりおはようございます、こんばんは)、いらっしゃいませ!」
(3人程度までなら)→「3名様でよろしいですか?」
(人数が多そうな場合)→「何名様でしょうか?」
(混雑時)→「お名前書いて少々お待ちください」
(人数確認後、ご案内)
(空席が少ないとき)→「左側三番目のお席空いておりますどうぞ」
(空席が多いとき)→「空いております、お好きなお席にお願いします」
(お待たせしたお客様に対して)→「〇名でお待ちの〇〇様、大変お待たせいたしました。左側の4名掛けのお席にご案内いたします」
来店時に大切なのはお客様に対して、「ご来店ありがとうございます」という感謝の意を示してお客様に安心していただくことです。
元気な挨拶がそのお店の印象を決めると言っても過言ではありません。
また、来店されるお客様のパターンは大体決まっています。
カップル、女子会(2,3人)、年配のお客様(2~4人)、おひとり様など。
とりあえず、来店されてきた人数で確認するのがベターです。
同時に2,3組のお客様が来店されて何名かはっきりわからない場合は人数を確認しましょう。
お店によっては、入口の紙にお名前と人数を書いていただく場合もあります。
お待たせした場合には、「大変お待たせいたしました」と一言添えるとよいでしょう。
ベテランになると、表情も上手く扱い、心からの謝罪を表現することができるようになります。
テンプレート②お冷とおしぼりを出す
◇接客テンプレート例◇
(お冷とおしぼりをおきながら)「こんにちはいらっしゃいませ」
(お客様の様子を見ながら)「ご注文はお決まりでしょうか」
or「お決まりになりましたらまたお呼び出しください、失礼いたします」
人数を確認したら、人数分のお冷とおしぼりを用意してお客様の下にお持ちします。
時間を短縮するならお冷を持っていくタイミングで注文していただくのがベストですよね。
しかしながら、全員がすぐに注文を決めているわけではないのでお客様の様子を見ながら伺えるか判断します。
年配のお客様や常連さんは決まってる場合が多いので、前者がベター、若いお客様や真っ先にメニューに手を伸ばすお客様は後者がベターです。
間違っていたとしても、お客様から「ちょっと待っててください」や「もう決まってます」など言っていただけるのでそこまで神経質にならなくても大丈夫です。
テンプレート③注文をとる
◇接客テンプレート例◇
(ピンポーン)「はい、お伺いいたします」
「お待たせ致しました、お伺いいたします」
「———ホットコーヒーがおひとつ、――コーヒーお二つですね、失礼致しました。カフェラテがおひとつ、以上でよろしいですか?はい、かしこまりました。少々お待ちください」
「もう一度確認させていただきます。ホットコーヒーがお二つ、カフェラテがお一つ、季節のシフォンケーキが3つ、以上でよろしいですか?かしこまりました。少々お待ちください」
お客様のご注文を一つずつ復唱し、確実に聞き取れているかを確認します。
お客様が早口の場合は無理して合わせるのではなく、復唱をゆっくり行うことでお客様に聞き取っていただき確認していきます。
ここで間違っていた場合には、「失礼致しました」と一言添えることでお客様が不快になることなく修正ができます。
注文の種類の数が少ない(確実に合っている自信がある場合)は、毎回の復唱で大丈夫です。
注文に少しでも不安がある場合は、最後に確認の復唱をさせてもらってください。
お客様は確認で時間をとられるよりもミスオーダーで時間をとられることを嫌がられます。
確実な注文を優先させましょう。
テンプレート④メニューを提供する
◇接客テンプレート例◇
「お待たせいたしました、ホットコーヒーをご注文のお客様。
(コーヒーを置きながら)失礼いたします」
(以上の場合)→「ご注文は以上でお揃いですか?伝票の方失礼いたします」
(まだの場合)→「少々お待ちくださいませ。失礼いたします」
ここで「ホットコーヒーのお客様」と略してしまうのはいけません。
お客様はホットコーヒーではないからです。
しっかりと、「ホットコーヒーをご注文のお客様」と伺うようにしましょう。
また、ホットコーヒーをシルバー(お盆)に載せて運ぶのは最初の方はなかなか慣れないので、言葉よりも安全に運ぶことの方に集中してください。
テンプレート⑤お会計、退店時
◇接客テンプレート例◇
(お客様が伝票を持って席を立たれたとき)「ありがとうございます!」
(レジにて)
「ありがとうございます。お会計が千円でございます。
はい、1万円をお預かりいたします。
9千円のお返しでございます。
ありがとうございます。またご利用くださいませ。」
お客様が伝票を持って立たれたときの「ありがとうございます」は、他の従業員に向けてお客様が帰られることを知らせる意味も含んでいます。
それにより、他の従業員がレジに向かってくれることもありますし、下げに行ってくれるかもしれません。
レジの方法はお店でしっかりと教わると思いますが基本はテンプレート通りです。
最後にも明るくハツラツとお礼を言うことで、お客様に良い気持ちで帰って頂くことができます。
まとめ
接客業は基本、テンプレートが完成すれば誰でもできるようになります。
テンプレートを完成させることで、さまざまな状況においても臨機応変に対応できるようになります。
飲食店の接客マナーは一つではないので、そのお店の先輩の接客を真似して自分のテンプレートを作っていきましょう。
慣れると歌うように接客するようになっていきます。
ではまた。